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相続放棄をしても葬儀代を遺産で払える?注意点も解説
こんにちは。静岡の葬儀社 富士葬祭です。
「相続財産に手をつけると相続放棄ができなくなる」という話を耳にしたことがある方もいるかもしれません。
そのため、「相続放棄をするつもりだけど、葬儀代は故人の遺産から支払ってもいいのだろうか」と不安に感じる方も少なくないようです。
結論からお伝えすると、葬儀代については例外的に遺産からの支払いが認められるケースがあります。
今回は、相続放棄を予定している場合に遺産から葬儀代を支払えるかどうかの、基本的な考え方をご説明します。
遺産から支払っても良い費用と避けるべき費用、知っておきたい注意点についてもお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。

目次
相続放棄予定でも葬儀代を遺産から支払えるケースがある
相続放棄とは、亡くなった方(被相続人)のプラスの財産もマイナスの財産(借金など)も含め、一切の相続を放棄する制度です。
故人様に多額の借金がある場合や、相続に関するトラブルに巻き込まれたくない場合など、さまざまな理由で検討されます。
相続放棄は、故人様が亡くなったことを知った日から3カ月以内に家庭裁判所で手続きをしなければなりません。
しかし、以下のような行為をすると「単純承認」に該当し、相続放棄ができなくなります。
- 相続財産を処分する(預金の引き出し・不動産の売却など)
- 相続放棄後に財産を隠匿・私的に消費する
つまり、原則的には遺産を使うと「単純承認」とみなされ、相続放棄はできなくなります。
葬儀代の支払いは「単純承認にあたる行為」の例外とされている
ただし、遺産による葬儀代の支払いについては、「社会通念上、身分相応の範囲内の葬儀費用であれば、遺産から支払っても単純承認にはあたらない」とした裁判例があります。
葬儀は人生最後の社会的な儀式として、ご遺族によって当然に執り行われるものであり、そのために必要な費用を遺産から充てることは社会的に見て不当とはいえない、という考え方が背景です。
一般的な葬儀にかかる費用の範囲内であれば、「葬儀費用として遺産を使っても相続放棄はできる」とされているのです。
しかし、どの程度の金額や規模が「身分相応」「一般的」かについては、法律上の明確な基準がありませんので、この点には注意が必要です。
相続放棄しても遺産から支払って良い葬儀費用・避けるべき費用
「葬儀にかかる費用」といっても、その内容はさまざま。
相続放棄を予定している場合は、遺産から支払っても問題ない費用とそうでない費用を事前に把握しておく必要があります。
遺産から支払って良い葬儀費用
一般的に遺産からの支払いが認められやすいのは、葬儀を執り行うために必要不可欠とされる費用です。
具体的には以下のような項目が該当します。
- ご遺体の搬送にかかった費用
- 通夜・告別式の運営費用
- 式場の使用料
- 火葬にかかった費用
- 埋葬・納骨の費用
- 僧侶への読経料・お布施・戒名料・心づけ
- 必要最低限の祭壇・供花
仏壇や墓石の購入についても、明らかに高額でない限りは「単純承認に当たらない」とした裁判例があります。
家族が亡くなった際に仏壇や墓石を用意して弔うことは、日本社会における一般的な慣習であり、葬儀費用と同様の扱いを受けやすい費用といえます。
ただし、墓石の購入と墓地の購入・永代使用料は、法的な評価が異なる場合があります。
墓地取得費用については、相続放棄を検討している場合は慎重に判断し、必要に応じて専門家へ相談することをおすすめします。
遺産から支払わないほうが良い葬儀費用
一方で、次のような費用を遺産から支払うと、相続財産の処分にあたると判断されるリスクがあります。
- 香典返し
- 喪服や礼服の購入費
- 墓地の購入費・使用料
- 初七日・四十九日・一周忌などの法要費用
- 参列者への会食や接待にかかった費用
- 過剰に豪華な装飾や祭壇
これらは葬儀そのものに必須の支出とは見なされにくく、遺産から支払うと単純承認と判断されてその後の相続放棄ができなくなる可能性があります。
特に墓地の購入費や永代使用料については判断が分かれる場合があるため、遺産からの支払いは慎重に検討する必要があります。
また、費用の個々の項目だけでなく、葬儀全体の規模にも注意が必要です。
例えば、故人様に多額の借金がある状態での高級ホテルでの式典や、特別演出を含む過度に豪華な葬儀などは、「被相続人の社会的地位や経済状況に対して不相当」と見なされてしまうことも。
そうなると、葬儀費用全体が相続財産の処分とみなされる可能性があります。
相続放棄を検討しているなら、葬儀の規模は必要以上に華美にならないよう心がけましょう。
判断に迷う費用については、専門家に確認してから支払うのが安心です。
なお、香典は参列者から喪主に渡される贈与の一種とされており、相続財産には含まれません。
そのため相続放棄をしても香典を受け取ることができ、葬儀費用に充てることも一般的に認められています。
相続放棄を予定している場合の注意点

相続放棄を予定しつつ葬儀代を遺産から支払う際には、以下の点に気をつける必要があります。
領収書・明細書は必ず保管しておく
葬儀代として遺産を使用した場合は、その支出が社会的に妥当な範囲であることを客観的に示せるよう、領収書と明細書を全て手元に保管しておきましょう。
ほかの相続人とのトラブルが起きた場合や、家庭裁判所への提出を求められた際にも、葬儀費用として適切に使ったことを説明しやすくなります。
お布施や心づけなど領収書が発行されない支払いについても、支払日・支払先・金額をメモとして残しておくことをおすすめします。
故人様の口座からの引き出しは慎重に行う
銀行が口座名義人の死亡を把握すると口座は凍結されますが、凍結前であれば故人様名義の口座からATMで現金を引き出すことは技術的には可能です。
しかし、凍結前の引き出しは使い込みを疑われたり、単純承認とみなされるリスクがあるため注意が必要です。
こうしたリスクを避けるためには、「遺産分割前の相続預金の払戻制度」の活用も検討してみましょう。
この制度を利用すると、故人様の口座から一定額を、ほかの相続人の同意なしに引き出すことが可能です。
ただし、相続放棄を検討している場合は、制度利用の可否について事前に専門家へ確認することをおすすめします。
また、申請から引き出しまでに時間がかかるため、早めの対応が重要です。
葬儀費用と故人様の貯金の関係については「葬儀費用は故人の貯金から支払える?口座引き出しの方法と注意点」でも詳しくご紹介していますので、あわせてご覧ください。
相続放棄の手続きは3カ月以内に行う
相続放棄の手続きは、故人様が亡くなったことを知った日から3カ月以内に家庭裁判所で行う必要があります。
この期間(熟慮期間)を過ぎると、原則として単純承認とみなされ、相続放棄ができなくなります。
判断を先送りにしたまま3カ月が経過してしまうと、放棄の意思があったとしても法律上は相続を承認したものとされてしまいます。
なるべく早い段階で専門家に相談しながら、必要書類の準備を進めておきましょう。
相続放棄を検討している場合でも葬儀代を遺産から払える可能性がある
相続放棄を検討している場合でも、「身分相応」と認められる範囲の葬儀費用であれば、遺産から支払える可能性があります。
ただし、葬儀にかかる費用の中でも、遺産から支払って良い費用と避けるべき費用があり、豪華すぎる葬儀は単純承認と判断されるリスクもあります。
領収書の保管や口座からの引き出しへの慎重な対応など、相続放棄を見据えた行動が求められるため、判断に迷う場合は早めに専門家への相談をご検討ください。
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いざというときに慌てないためにも、葬儀場の見学や事前相談も承っております。
