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葬儀・家族葬ブログ

葬儀の知識
葬儀の受付は何をすれば良い?役割や当日の流れをご紹介
こんにちは。静岡の葬儀社 富士葬祭です。
葬儀の受付をお願いされ、「どのような対応をすれば良いのだろう」「失礼のないようにマナーが知りたい」と思っている方も多いのではないでしょうか。
受付は弔問客が最初に接するご遺族側の窓口であり、故人様への最後のお別れの場を支える大切な役割です。
今回は、葬儀の受付が担う役割や準備すべきこと、当日の対応の流れ、そして押さえておきたいマナーや注意点について解説します。
目次
葬儀における受付の役割
葬儀の受付は、ご遺族に代わって弔問客をお迎えする重要な役割を担います。
故人様を慕って足を運んでくださる方々を最初にお迎えする立場として、十分な配慮が必要となります。
受付が行うことには、以下のようなものがあります。
- 香典をお預かりする
- 芳名帳への記帳をお願いする
- 返礼品をお渡しする
- 式場の案内をする
- 荷物や上着をお預かりする
故人様への哀悼の気持ちを忘れず、ご遺族の気持ちに寄り添いながら、一人ひとりの弔問客に心を込めて対応することが求められます。
葬儀の受付は誰がやる?
受付を担当する方に特別な決まりはありませんが、ご遺族席に座る直系家族以外の方が務めるのが一般的です。
また、受付では大切な香典をお預かりするため、ご遺族が信頼されている方が選ばれます。
一般的な葬儀の場合は、以下のような方が務められることが多いです。
- 親戚(孫、孫の配偶者、いとこなど)
- 故人様や喪主の友人・知人
- 職場の同僚や関係者
- 地域の方 など
家族葬などの小規模な葬儀の場合、以下のような方が務められることが多いです。
- 喪主以外の家族や親族
- 故人様の孫 など
受付は香典という金銭を扱う重要な係のため、トラブルを避けるためにも信頼関係のある方に依頼することが多いです。
また、一人では負担が大きいため、通常は2名から数名で分担して行います。
有料になりますが、受付は代行業者へ依頼することも可能です。
葬儀会社が依頼を行いますので、お気軽にご相談ください。
葬儀の受付で事前に準備しておくこと
葬儀の受付を滞りなく進めるためには、事前の準備が大切です。
喪主から指定された時間までに到着するようにしましょう。
特に指定がない場合は、式開始の1時間前には会場に到着するのが目安です。
会場に到着後、以下の点を確認・準備しましょう。
式の進行とスケジュールの確認
葬儀社のスタッフから受付業務の説明を受け、当日の流れや時間を把握します。
香典や芳名帳を片付けるタイミング、保管方法・保管場所を確認しておきます。
自分たちがお焼香をするタイミングについても、事前に確認しておきましょう。
会場の配置の確認
弔問客から質問されることの多い場所を事前に確認しておきましょう。
質問が多い場所や内容としては、以下のようなところがあります。
- 式場の席の並び
- お手洗いの位置
- 休憩室の場所
- 駐車場の案内
- 喫煙所の有無
- コインロッカー(荷物預け場所)の有無
必要な用品の確認
受付が始まってからは、金銭を預かる関係で受付を離れることはできません。
受付で使用する以下の用品が揃っているかを確認しましょう。
- 記帳用の筆記具
- 芳名帳または芳名カード
- 香典受け(香典をお預かりする入れ物)
- 名刺受け(名刺をお預かりする入れ物)
- 返礼品
このほかに、メモ帳やふせんがあると、特別な伝言や注意事項を書き留めておくのに役立ちます。
ご遺族の意向の確認
家族葬などでは、ご遺族が香典を辞退される旨を連絡されていることがあります。
受付係全員が統一した対応になるように、香典の取り扱いについて確認しておきましょう。
また、返礼品の取り扱いについては、連名の場合のお返しの個数や、返礼品をお断りされた場合の対応を確認しておきます。
ただし、故人様と弔問される方の関係性により、受付では判断が難しいケースも想定されます。
そのような場合に備えて、確認事項はどなたに伺えば良いのかを打ち合わせておくと安心です。
葬儀当日の受付の流れ
受付の準備が整ったら、以下の手順で弔問客をお迎えします。
①お迎えの挨拶
弔問客がお見えになったら、心を込めて挨拶します。
【基本の挨拶】
- 「この度はご多用の中お越しいただき、ありがとうございます」
- 「お足元が悪い中、ご参列いただき、ありがとうございます」(悪天候の場合)
【ご親族の方への挨拶】
- 「この度は心よりお悔やみ申し上げます」
- 「この度はご愁傷さまでございます。心よりお悔やみ申し上げます」
②香典のお預かり
弔問客から香典をお預かりする際は、「お預かりいたします」「大変恐れ入ります」とお声かけし、両手で丁寧に受け取ります。
その際に、お名前・ご住所・電話番号が書いてあるか確認をします。
【香典を辞退する場合】
- 「恐れ入ります。ご遺族の意向により香典は辞退させていただいております。お気持ちだけありがたく頂戴いたします」
- 「申し訳ございません。故人の意思により香典はお受けできません。お心遣いに感謝いたします」
③記帳のお願い
香典をお預かりした後、記帳をお願いします。
【記帳依頼の言葉】
- 「お手数ですが、こちらにお名前とお住所をお書きください」
- 「恐れ入りますが、こちらへのご記入をお願いいたします」
④返礼品のお渡し
記帳が完了したら、返礼品をお渡しします。
「こちらをお受け取りください」「お礼の品です」などとお声かけし、両手でお渡しします。
静岡の一部地域では、香典を受け取る際に香典の金額を確認し、その金額に応じて返礼品をお渡しする「即日返し」という慣習があります。
一方で、金額の確認をせずに一律同じ返礼品をお渡しする「一律返し」という方法もあります。
地域の慣習に合わせて対応するため、事前にご遺族や葬儀社スタッフに確認しておくことが大切です。
⑤式場のご案内
最後に式場へご案内します。
「式場はあちらでございます」とお伝えし、必要に応じて付き添いましょう。
開式前にお越しの方には、待合室へのご案内も行います。
付き添う場合は、受付が無人にならないよう、しっかりと連携を取ることが大切です。
故人様の思い出の品や写真を飾ったメモリアルコーナーを設置している場合は、「故人の思い出の品を置いております。どうぞご覧ください」と案内しましょう。
弔問客が一段落したら、お預かりした香典と芳名帳を会計係または指定の場所にお渡しし、受付業務は終了です。
葬儀の受付をする際のマナーや注意点
受付をする際に気をつけるべきマナーや注意するポイントをご紹介します。
受付の服装マナー
受付係はご遺族の代理として弔問客に対応するため、参列者と同じく礼装を着用します。
男性は以下のようなものを着用します。
- 黒のスーツ
- 白無地のシャツ
- 黒のネクタイ
- 黒の靴下と革靴
女性は以下のようなものを着用します。
- 黒のワンピースまたはスーツ
- 膝が隠れる丈のスカート
- 黒のストッキング
- 黒のパンプス
髪型はきちんと整え、女性はメイクは控えめにするといった配慮も必要です。
特に受付は手元を見られることが多いので、ネイルはしないのが基本的なマナーです。
葬儀の服装やアクセサリーについては、以下のコラムでさらに詳しくご紹介しています。
葬儀の服装マナーを確認!男女別・立場別の服装や気をつけたいポイント
受付の基本的なマナー
服装と同じく、所作にも十分な注意が必要です。
以下のような点に注意して、受付に立ちましょう。
- 丁寧で落ち着いた話し方を心がける
- ご遺族と弔問客の気持ちに配慮する
- 弔問客をお迎えする際は起立する
- 香典や返礼品の受け渡しは両手で行う
- 私語は慎む
- 携帯電話は音が出ない設定にする
言葉遣いのマナー
受付はご遺族の代表とも言える立場です。
受付での私語は慎む必要がありますが、弔問客へは配慮ある言葉遣いをすることが大切です。
敬語を正しく使うことはもちろん、場にふさわしい控えめな声の大きさで話す、急がずにゆっくりとした口調を保つといった点にも気をつけましょう。
また、「重ね重ね」「度々」「続く」といった忌み言葉は使わないように気を付けます。
お焼香のマナー
受付係のお焼香は、式が始まる前か、一般の方のお焼香が終わった後に行います。
香典をお預かりしているため、受付を無人にしないよう、交代でお焼香を済ませます。
香典の取り扱い
お預かりした香典は紛失防止のため、速やかに会計係にお渡しします。
家族葬など規模の小さな葬儀では、会計係は設けずに受付が会計を兼任することが多いです。
当日中に必ず喪主にお渡しし、翌日以降に持ち越すことのないよう注意しましょう。
葬儀場によっては、金庫に預けられるところもあります。
わからないことは確認する
葬儀はケースバイケースのことも多く、事前に打ち合わせをしていてもわからないことが出てくることもあります。
わからないことは自己判断せず、喪主やご遺族、葬儀場スタッフなどに確認した上で進めましょう。
葬儀の受付の役割を理解して心のこもった対応を
葬儀の受付は、ご遺族の代理として、故人様を慕う方々へ心からの感謝の気持ちを込めた対応を心がけることが大切です。
受付をスムーズに進めるために、場所や必要な物の確認は事前に行なっておきましょう。
弔問客に対しては、お迎えの挨拶、香典のお預かり、記帳のお願い、返礼品のお返し、式場のご案内を行います。
受付は複数人で行うことが多いので、統一した対応になるよう、しっかり連携を取ることが大切です。
受付は大切な香典をお預かりする役割もあります。
金銭の管理については十分注意してくださいね。
受付をする上で不安なことも多いかと思いますが、わからないことがあれば、喪主やご遺族、葬儀場のスタッフに確認して進めていきましょう。
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