葬儀の平服とは何を着る？シーン別の服装マナーを解説

こんにちは。静岡の葬儀社 富士葬祭です。

 

葬儀や法要の案内に「平服でお越しください」と書かれていて、「何を着れば良いのだろう？」と迷った経験はありませんか？

「平服」という言葉を字面通りに受け取ると普段着を想像しがちですが、実際には異なる意味を持ちます。

 

今回は、葬儀における平服の正しい意味と、男性・女性・子供それぞれの選び方、シーン別の着こなしまでわかりやすく解説します。

葬儀における平服とは

葬儀における平服とは、いわゆる普段着ではなく「略喪服」を指します。

 

平服と指定された場合でも、Tシャツやジーンズなどのカジュアルな普段着は不適切です。

「平服で」という案内は「正喪服まで準備しなくても大丈夫ですよ」という呼ぶ側の気遣いであり、故人様やご遺族への敬意を示す装いが求められることは変わりません。

 

喪服にはいくつか種類があり、それぞれに格式や着用する場面が決められています。

 

喪服の種類と格式

喪服は大きく以下の3種類に分けられます。

 

①正喪服

最も格式の高い喪服で、葬儀の主催者である喪主や施主が着用します。

男性は黒紋付羽織袴やモーニングコート、女性は黒無地の和服や黒のフォーマルドレスが該当します。

ただし、現在では和装やモーニングコートを着る方は減っており、次に紹介する準喪服が一般的です。

 

②準喪服

最も広く着用されている喪服で、通夜・葬儀・三回忌までの法要に用いられます。

男性はブラックスーツ、女性はブラックフォーマルの黒の装いが基本です。

喪主・遺族だけでなく一般参列者も準喪服を着用するのが一般的です。

 

③略喪服

「平服でお越しください」と案内がある場合、略喪服が該当します。

準喪服ほど厳しくはありませんが、黒一色でなくても、地味で落ち着いた色合いであれば問題ありません。

七回忌以降の法事やお別れの会などで着用されることが多い装いです。

 

葬儀での平服の選び方

実際に葬儀で平服を着る場合、具体的にどのような服装を選べば良いのでしょうか。

男性、女性、子供それぞれの服装の基本をご紹介します。

 

男性の平服

黒・紺・ダークグレーなど落ち着いた色のスーツを基本とします。

全体を同系色でまとめることで、故人様への敬意を示す装いになります。

 

ワイシャツは白無地、ネクタイは光沢のない黒無地、靴下は黒が基本。

ベルトや革靴も装飾のないシンプルなものを選びましょう。

色は黒が無難ですが、必ずしも黒でなくても良い点が喪服との違いです。

 

女性の平服

黒・紺・グレーなどのダークカラーのワンピースやスーツが基本です。

一般的な喪服と同じく、スカート丈は膝が隠れる程度で、黒の薄手ストッキングを着用します。

靴やバッグもシンプルな黒のものにし、アクセサリーは結婚指輪や真珠のネックレスなどにとどめましょう。

 

喪服との違いは男性と同様に黒以外も許容される点ですが、あくまで落ち着いた色に限ります。

 

子供の平服

制服がある場合は、制服で問題ありません。

正しい制服の着こなしであれば、明るい色やチェック柄があっても大丈夫です。

 

制服がない場合は、白シャツに黒・紺・グレーのズボンやスカートを合わせましょう。

派手な柄・キャラクターものは避けます。

靴下は白または黒の無地で、靴も黒・紺・グレーなどのローファーやシンプルなスニーカーが適しています。

 

葬儀での子供の服装について詳しく知りたい方は、「葬儀の子供の服装はどうする？注意点も紹介」もご参考ください。

 

シーン別の服装のポイント

通夜、葬儀・告別式、法要、お別れの会など、場面によって適した服装が異なります。

一般的に知られている身だしなみを知っておくと安心です。

 

通夜

「訃報を聞いて急いで駆けつけた」という意味合いから、略喪服でも問題ありません。

ただし実際には準喪服で来られる方が多いです。

 

葬儀・告別式

「平服で」と案内されていても、ほとんどの方が準喪服で参列します。

略喪服を選ぶ場合でも、黒を基調とした落ち着いた装いを心がけましょう。

 

法要

三回忌までは特に案内がなければ準喪服が一般的です。

「平服で」とある場合は略喪服で問題ありません。

 

七回忌以降は遺族も略喪服を着用し、一般の参列者は地味な服装であれば許容されます。

男性はネクタイや靴下が黒以外の落ち着いた色でも構いませんし、女性も派手でなければ選択肢が広がります。

 

お別れの会・偲ぶ会

近年増えている形式で、「平服で」と案内されることが多くあります。

会場がホテルやレストランの場合もあるため、場の雰囲気に合わせて略喪服またはカジュアルすぎない落ち着いた装いを選びましょう。

 

葬儀での平服のマナー・注意点

平服を選ぶ際には、服装以外にも気を配るべきポイントがあります。

基本的な考え方は通常の葬儀の身だしなみと同じと考えましょう。

 

色や柄に関する注意点

派手な色や柄は避け、黒を基調に紺・グレーなどの地味な色合いでまとめます。

チェック柄やストライプ柄のスーツも弔事には不向きです。

また、Tシャツやジーンズなどの普段着やカジュアルすぎる服装は、平服で良い場合でも不適切です。

 

素材や装飾に関する注意点

光沢のある素材や金属の装飾が目立つものは控えます。

エナメル、スパンコール、ラメなどは不適切です。

アクセサリーも必要最低限にとどめましょう。

 

露出への配慮

肌の露出が多い服装は避けましょう。

女性は膝が隠れるスカート丈を目安にし、素足ではなく黒の薄手ストッキングを着用します。

 

小物のマナー

バッグや靴、ベルトもシンプルなデザインを。

ブランドロゴが大きく入ったもの、金具が目立つものは避けましょう。

 

宗教や家族葬による考え方

宗教が違っても基本的な考え方は同じです。

家族葬であっても「身内だけだから」と気を抜かず、丁寧な服装で参列しましょう。

 

葬儀の服装のマナーについては「葬儀の服装マナーを確認！男女別・立場別の服装や気をつけたいポイント」でも詳しくご紹介していますので、あわせてご覧ください。

 

葬儀の平服は略喪服が基本。故人様への敬意を示す装いは変わらない

葬儀における平服とは、正喪服・準喪服ほど格式張らない略喪服のことで、決して普段着ではないので注意しましょう。

「平服でお越しください」という案内があっても、故人様やご遺族への敬意を示す装いを整えることに変わりはありません。

 

男性は黒・紺・グレーのスーツに白シャツと黒ネクタイ、女性は落ち着いた色のワンピースやスーツが基本。

子供は制服またはシンプルな服装を心がけましょう。

 

三回忌までは黒を基調に、七回忌以降は紺やグレーも許容されるなど、年忌が進むほど装いの幅は少し広がります。

 

静岡県の葬儀は、富士葬祭におまかせください。

いざというときに慌てないためにも、葬儀場の見学や事前相談も承っております。