BLOGS

葬儀・家族葬ブログ

葬儀・家族葬ブログ

参列者の知識

キリスト教の葬儀の流れを解説!宗派別の特徴と参列マナー

    twitter

    facebook

    line

こんにちは。静岡の葬儀社 富士葬祭です。

 

キリスト教の葬儀に参列することになった際、「どのような流れで進むのだろう」「仏教式と何が違うのだろう」「マナーや注意点はあるのだろうか」といった疑問を抱かれる方も多いのではないでしょうか。

 

日本では仏教式の葬儀が一般的なため、キリスト教の葬儀をよく知らない方が多いのも当然です。

しかし、キリスト教の葬儀には独特の流れやマナーがあり、事前に理解しておくことで、故人様への敬意を示し、心穏やかに最後のお別れをすることができます。

 

今回は、キリスト教の葬儀の流れや参列時のマナー、注意点について詳しく解説します。

キリスト教の葬儀

キリスト教の葬儀の特徴

キリスト教の葬儀は、仏教式の葬儀とは大きく異なります。

 

キリスト教では死を「永遠の命の始まり」として捉えるため、葬儀は故人様を神のもとに送り出す祝福の儀式という意味合いが強くなります。

このような考え方に基づいて行われるキリスト教の葬儀には、次のような特徴があります。

 

聖歌・賛美歌の斉唱

キリスト教の葬儀では、神への賛美や感謝を表現するために聖歌や賛美歌を参列者全員で歌います。

プロテスタントの宗派では「賛美歌」、カトリックの宗派では「聖歌」と呼び分けており、どちらも葬儀において中心的な役割を担います。

 

献花による故人様とのお別れ

仏教式の焼香に替わり、キリスト教では「献花」を行います。

これは日本で独自に発達した儀式で、故人様への最後のお別れと神への感謝の気持ちを込め、白いお花をお供えします。

 

仏教との考え方の違い

仏教では死を「往生(この世を去り、極楽浄土にいって生まれること)」として捉えますが、キリスト教では「復活(神のもとへ帰り、永遠の命を得ること)」という概念が根本にあります。

このため、お声かけの仕方や持参するものなども異なり、参列時には宗教の違いを理解した配慮が大切です。

 

宗派による葬儀の流れの違い

キリスト教には多くの宗派がありますが、日本で行われる葬儀では主にプロテスタントとカトリックの2つの宗派が多く、それぞれ葬儀の進行や考え方に違いがあります。

プロテスタントは葬儀と告別式を同時に行うのに対し、カトリックは葬儀と告別式を別々に行うことが基本です。

 

次からは、プロテスタントとカトリックの葬儀の流れについて、詳しく解説していきます。

 

 

【プロテスタント】キリスト教の葬儀の流れ

キリスト教の葬儀

プロテスタントの葬儀は、神への感謝とご遺族への慰めを目的として行われます。

故人様は神のもとで平安を得られるという信仰のもと、比較的柔軟な形式で進められます。

 

納棺式

牧師の立ち会いのもとで行われる納棺式では、まず牧師が故人様の枕元で祈りを捧げます。

その後、ご遺族によってご遺体を棺にお納めし、白いお召し物を着せて周囲を白いお花で飾ります。

 

棺に蓋をして黒い布をかけた後、白いお花で十字架を作って棺の上に飾り、祈りや聖書の朗読、賛美歌の斉唱が行われます。

 

最後に牧師が納棺についてのお話をし、再度祈りを捧げて納棺式が完了します。

 

前夜祭

前夜祭は仏教式のお通夜に相当する儀式です。

本来キリスト教にはお通夜はありませんが、日本の習慣に合わせて行われるようになりました。

 

牧師を招いて聖書の朗読や賛美歌の斉唱が行われ、軽いお食事やお茶菓子でおもてなしをすることもあります。

 

葬儀・告別式

プロテスタントでは葬儀と告別式を区別せずに1つの儀式として執り行います。

 

開式のご挨拶

ご遺族やご親族が教会に入った後、牧師が開式のご挨拶をします。

このとき、オルガンによる賛美歌の演奏が行われることが多く、牧師はご遺族より先に入場しています。

 

聖書朗読

開式のご挨拶の後、牧師が聖書を朗読し、ご遺族や参列者は黙祷をします。

聖書朗読が終わると、皆で賛美歌を斉唱します。

 

故人様のご紹介・説教

牧師による故人様のご経歴の紹介が行われ、故人様と教会とのご縁や、信仰を持たれるに至った経緯などが語られます。

 

続いて、聖書の教えに基づいて牧師が説教を行います。

 

祈祷

聖書朗読と説教の後、牧師が「神のもとで故人様が安らかにお過ごしいただけるように」との祈りを捧げます。

祈祷が終わると、参列者の皆で再び賛美歌を斉唱し、牧師が参列者に向けて祝福の祈りと挨拶を行います。

 

献花・出棺

献花では、故人様への哀悼の意と神への感謝の気持ちを表すためにお花をお供えします。

参列者全員で献花を行うこともありますが、人数によってはご遺族やご親族のみで行う場合もあります。

 

献花が終わると棺に蓋をして、出棺となります。

 

 

【カトリック】キリスト教の葬儀の流れ

参列

カトリックの葬儀は、故人様の魂の救済を神に願い、永遠の安息を祈ることを目的としています。

葬儀と告別式を分けて執り行うのが特徴で、より厳格な儀式として進められます。

 

納棺

納棺は葬儀が始まる前に、神父の立ち会いのもとで行われます。

まず、ご遺体をお清めしてお着替えをさせ、故人様の手にロザリオや十字架を添えます。

 

神父の導きで故人様への祈りを捧げた後、聖歌の斉唱と聖書の朗読が行われ、聖水をご遺体におかけします。

 

その後、ご遺族で故人様を棺に納め、白いお花で周囲を飾り安置します。

 

通夜祭

本来カトリックには通夜の習慣はありませんが、日本の慣習に合わせて「通夜祭」が行われることがあります。

神父を招いて聖書の朗読や聖歌の斉唱が行われます。

 

葬儀

カトリックの葬儀は、「入堂式」「ミサ聖祭式」「赦祷式(しゃとうしき)」の3つの儀式で構成されます。

 

入堂式

葬儀の開始時に聖歌が演奏され、神父が入場します。

続いて棺とご遺族が入場し、神父が棺に向けて祈りと聖水を捧げます。

 

その後、棺の上に花でできた十字架と燭台(しょくだい、ろうそく立てのこと)、お花が飾られます。

神父が棺と祭壇に聖水をかけ、葬儀の開始を告げて儀式が始まります。

 

ミサ聖祭式

ミサ聖祭式は「言葉の典礼」と「感謝の典礼」の2部で構成されます。

 

  • 言葉の典礼:神父が聖書を朗読し、説教を行い、参列者全員で祈りを捧げる
  • 感謝の典礼:パンとワインを用いた聖体拝領の儀式を行う

 

この儀式はカトリックの葬儀において最も大切な部分で、「故人様が永遠の命を受けられるように」との祈りが込められています。

 

赦祷式(しゃとうしき)

ミサ聖祭式の後に、赦祷式が行われます。

これは故人様の罪の赦し(ゆるし)と永遠の安息、魂の復活を願って祈りを捧げる儀式です。

 

神父が棺に聖水をかけ、香を焚いて故人様の平安を祈ります。

 

告別式

カトリックでは葬儀とは別に告別式を行います。

 

入堂聖歌

聖歌とともに神父が教会に入り、続いて棺とご遺族が入場します。

 

聖歌斉唱

全員で聖歌を斉唱します。

告別式では葬儀のような開式の言葉はなく、聖歌斉唱が告別式開始の合図となります。

 

弔辞・弔電のご紹介

故人様がカトリックの信者になられた経緯などの略歴が紹介されることもあります。

 

告別の祈り

神父が棺に聖水をかけ、故人様の永遠の平安を祈ります。

続いて、棺に向かって献香を行い、故人様への敬意を表します。

 

献花

プロテスタントと同様、献花を行うのが一般的です。

喪主、ご遺族、ご親族、ご友人の順番で故人様の安らかな眠りを祈りながら、お花を献花台にお供えしていきます。

 

喪主のご挨拶

最後に、喪主が参列者に向けて葬儀を無事に終えられたことの感謝を述べます。

 

 

キリスト教の葬儀におけるマナー・注意点

献花

キリスト教の葬儀に参列する際は、仏教式とは異なるマナーがあります。

故人様やご遺族に失礼のないよう、事前に理解しておきましょう。

 

服装のマナー

キリスト教の葬儀でも、基本的には仏教式と同様の喪服を着用します。

 

男性はブラックスーツに白いワイシャツ、黒いネクタイを着用し、女性は黒いワンピースやスーツ、アンサンブルなどの正式な喪服を選びます。

お子様の場合は制服、または黒や紺色などの落ち着いた色合いの服装を着用しましょう。

 

お声かけについて

キリスト教では死を不幸なこととは考えないため、「お悔やみ申し上げます」「ご愁傷様です」といった言葉は適切ではありません。

 

代わりに「○○様の安らかなお眠りをお祈りいたします」「心より哀悼の意をお捧げします」「ご遺族の皆様に、神様のお慰めがありますように」といった表現を使います。

 

また、「冥福」「成仏」「供養」などの仏教用語も避けましょう。

 

香典について

キリスト教の葬儀では、香典ではなく「お花料」を持参します。

プロテスタントの場合は「献花料」「忌慰料」「お花料」、カトリックの場合は「献花料」「御ミサ料」「お花料」という表書きを使用します。

 

故人様の宗派が不明の場合は、どちらでも使用できる「献花料」または「お花料」を選ぶと良いでしょう。

封筒は白無地のものや、十字架やユリの花が描かれたものを使用し、蓮の花が描かれたもの(仏教用)は避けてください。

 

聖歌・賛美歌のマナー

クリスチャンでない方は、賛美歌・聖歌の斉唱に無理に参加する必要はありません。

ただし、スタッフから歌詞が書かれたカードなどを受け取った場合は、できる範囲で参加しましょう。

 

献花のマナー

献花では両手を使用するため、荷物などは席に置いておきます。

 

献花は次の流れで行います。

  1. 順番がきたら献花台の前に進み、ご遺族に一礼
  2. 茎を左手、花を右手で支え、両手で花を受け取る
  3. 献花台まで進み、祭壇に向かって一礼
  4. 茎が献花台の方を向くように花の向きを整えて静かにお供え
  5. 最後に祭壇とご遺族にもう一度一礼して席に戻る

 

数珠について

数珠は仏教で用いられる道具であり、キリスト教の葬儀では使用しません。

他宗教の道具を持参することは失礼にあたるため、注意しましょう。

 

キリスト教以外の宗教の葬儀について詳しく知りたい方は、「葬儀の宗教による違いとは?種類ごとの特徴とマナーを解説」もあわせてご覧ください。

 

 

キリスト教の葬儀の流れを理解して故人様をお見送りしましょう

キリスト教の葬儀は、死を永遠の命の始まりと捉える独特の信仰に基づいて執り行われます。

プロテスタントとカトリックでは葬儀の流れや儀式の内容に違いがありますが、どちらも故人様への愛と敬意を込めて行われる大切な儀式です。

 

参列する際は、聖歌・賛美歌の斉唱や献花などのマナーを理解し、適切な服装と言葉遣いを心がけることが重要です。

仏教の言葉の使用をお避けいただき、お悔やみの言葉ではなく故人様の安らかなお眠りを祈る言葉を使うことで、ご遺族の信仰に配慮することができます。

 

また、香典の代わりにお花料を持参するなど、キリスト教特有のマナーを守ることで、故人様とご遺族に失礼のないお別れができるでしょう。

 

静岡県の葬儀は、富士葬祭におまかせください。

いざというときに慌てないためにも、葬儀場の見学や事前相談も承っております。

 

    twitter

    facebook

    line